『古銭、小判』の種類

【古銭、小判,】には様々な材質や大きさの物が存在しています。

まず『大判』(おおばん)です。これは16世紀以降に、槌で叩いて薄く伸ばした金の塊であり、おおよそ縦長143ミリ、幅84ミリの大きさがあります。
・天保大判(てんぽうおおばん) ・慶長大判(けいちょうおおばん)

次は『小判』(こばん)です。これは天正(1573年~1592年)から、江戸時代にかけての通貨の1つで、延金貨幣(槌で叩くなどして薄く広げた金の塊)の中の小型で楕円形をしています。

〔江戸時代以前の小判〕
・駿河墨書小判(するがすみがきこばん) ・武蔵墨書小判(むさしすみがきこばん)

〔江戸時代の小判〕
・慶長小判(けいちょうこばん) ・元禄小判(げんろくこばん) ・宝永小判(ほうえいこばん) ・正徳小判(しょうとくこばん)
・享保小判(きょうほこばん) ・元文小判(げんぶんこばん) ・文政小判 (ぶんせいこばん) ・天保小判(てんぽうこばん)
・安政小判(あんせいこばん) ・万延小判(まんえんこばん)

そして次は銀を使用した『銀判』です。これは幕末に一部の藩で作られた地方貨幣です。
・盛岡銀判(もりおかぎんばん)〔盛岡藩〕
・秋田銀判(あきたぎんばん)〔久保田藩〕

そしてこの『古金銀』(こきんぎん)は、江戸時代中期以降から、なんと明治時代までに通用していました。
・一分金(いちぶきん) ・二分金(にぶきん) ・一分銀(いちぶぎん) ・二朱銀(にしゅぎん)

そして最後には『穴銭』(あなせん)です。硬貨の中央に穴が開いている古銭をこのように呼びます。
・寛永通宝 (かんえいつうほう)これも『古金銀』と同じように、明治の初期まで通用しました。
・絵銭(えせん) おもちゃの貨幣として作られました。
・皇朝十二銭(こうちょうじゅうにせん) ・天保通宝(てんぽうつうほう) ・ 文久永宝(ぶんきゅうえいほう) ・長崎貿易銭(ながさきぼうえきせん)
また、『穴銭』にはその他にも、民間の手により鋳造された粗悪な貨幣があり、「びた一文払わない」の「びた」の語源となったのが鐚銭が有ります。