『象牙』の種類

【象牙】(ぞうげ)は、ゾウの長大に発達した切歯(門歯)が牙のようなために、そう呼ばれています。
材質が硬すぎず、だからといって柔らかすぎずそして適度な吸湿性を持つために手に馴染み易く、また加工に関しても、大理石や水晶、翡翠や金属と比較をしても【象牙】は加工性が優れています。

そのため昔から世界では、紀元前5世紀の【象牙】から彫られた女神アテーナー像がパルテノン神殿に飾られたり、ピアノの鍵として用いられたり、ビリヤードのボールを【象牙】にて製造することが一般的でした。
しかし、【象牙】を採取するために多くのゾウが殺され、20世紀後半には生息数が減少して絶滅が危惧され、ワシントン条約により国際間の取引は原則禁止となっています。

そのような【象牙】ですが、日本国内では多くの物に加工されて使用されており、
・朱肉の馴染みがとても良く、印章の捺印が契約や公式書類に対して必要な日本では、高級感がある素材として『印鑑』に使用する。
・『三味線の撥』や『箏の爪』としても、適度な弾力性と手のひらの湿度を吸収するため、手に馴染むということで最高の素材とされている。
など、印鑑や伝統楽器などの高級な原材料として使用されています。