『漆器、蒔絵(まきえ)』の種類

【漆器】(しっき)は、漆(うるし)を木材や紙などに塗り重ねて作る工芸品で、主に「漆を塗った食器」との意味がありますが、箸や食器などの日用品から、根付や重箱、そしてバイクの車体などの高級品までと幅広い用途を持っています。

また漆を表面に塗ることにより、その物が格段と長持ちをするようになります。
そして【漆器】には漆工と呼ばれる工程があり、それには加工済みの素地へ下地処理、その塗りの工程と、作業を列挙すると、30~40の手順が必要となり、また【漆器】の産地でもその土地ごとに漆工の工程の違いが存在します。
また最近では、素地に木材や竹、紙や金属の他にも、合成樹脂や漆にセルロースナノファイバーを混ぜて、光沢と強度を持たせる技術も開発されています。

【蒔絵】(まきえ)は、漆工芸の一種であり漆にて文様や絵、あるいは文字を描き、その漆が乾かないうちに、金や銀をその表面に蒔(ま)き定着をさせる技法です。
その技法の他には、
・薄い金銀の板を定着させる、「平文」(ひょうぶん)あるいは「平脱」(へいだつ)。
・漆器表面に溝を刻み、金銀の箔を埋め込む「沈金」(ちんきん)。
・夜光貝やアワビ貝などを文様の形に切り透かして、貼ったり埋め込む「螺鈿」(らでん)。
などが、漆器の代表的な加飾技法だと言えます。