『日本画』の種類

【日本画】としての呼称は、明治時代以降に海外から伝えられた油彩画(西洋画)と区別を付けるために呼ばれるようになりました。
そのため、明治時代より以前に活動していた画家である、たとえば戦前に活躍した横山大観は【日本画家】と呼んでも、江戸時代に活躍した狩野永徳を【日本画家】と呼ぶことはありません。

また、西洋画と【日本画】の違いを挙げるとすると、西洋画は油絵の具や水彩絵の具絵を使用してキャンバスに描くように、【日本画】では描く際に使用する絵具(墨や岩絵具、胡粉や染料)で、紙や絹、木、漆喰などに描く技法を使用した絵画を描きます。
また西洋画と違うのは、岩絵の具に有機色料を合わせて用いることにより、水彩絵の具よりも溶解しにくい性質を持っているので、何重でも絵の具を薄く重ねて描くことができることです。

そして【日本画】の呼称の切っ掛けとなった、1878年にアメリカから来日したアーネスト・フェノロサは、【日本画】の特徴として、
・ 写真のような写実を追わない。
・ 陰影が無い。
・ 鉤勒(こうろく、輪郭線)がある。
・ 色調が濃厚でない。
・ 表現が簡潔である
を挙げて優れたところを評価をしています。