『リトグラフ、シルクスクリーン』の歴史や地域情報

・【リトグラフ】(lithograph, lithography)は、ドイツ人のアロイス・ゼネフェルダーが1798年に、脂肪クレヨンで石灰石の上に描き、硝酸とアラビアガムを混合した弱酸性の溶液をその石灰石の上に塗布し、それによる化学変化を発生させて、版を作る技法として発明しました。

そして19世紀にはヨーロッパ全土にリトグラフの技法が広まり、1818年には『石版術全書』が刊行されました。
また日本では1868年に、下岡蓮杖が日本初である石版画の『徳川家康像』を版行しました。
その後1874年に、陸軍士官学校より石版画の習画帳である『写景法範』が、中丸精十郎や川上冬崖らによって刊行されました。
そののち1892年に東京石版印刷組合が結成されました。

・【シルクスクリーン】(Screen printing)は、20世紀初頭に芸術の表現方法として活用され始めるまでは、主に商業目的の印刷として幅広く利用されていました。
1950年代後半に、アメリカのロバート・ラウシェンバーグとアンディー・ウォーホルがシルクスクリーンを芸術目的に使用した作品を発表しました。

日本人芸術家では、1970年代以降に木村光佑が国際的なコンクールや展覧会で版画を取り入れた作品を発表し、受賞をしました。
また1974年に木村秀樹が、第9回東京国際版画ビエンナーレで京都国立近代美術館賞を受賞し、横尾忠則はリトグラフやシルクスクリーンを用いた版画を発表しました。